Cさんアルコールインクアートが…はがれてきてる。



そのお悩み、実は多くの作家さんが経験しています


アルコールインクアートのパネル作品がはがれる、このお悩みについて、以前Instagramでフォロワーさんにアンケートを行った際、70名ほどのインクアート作家さまからお声をいただくことができました。
今回は、はがれ問題の実態と原因、そして私が行っている対策と現状についてご紹介します。
・アルコールインクアート初心者さん
・はがれにくい対策があるか知りたい
・はがれたアートの応急処置の仕方を知りたい
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作家の約7割が経験|70名アンケート結果
アルコールインクアートパネルのはがれ問題について、私が行った70名の作家様へのアンケート結果をまとめます。
はがれの発生率と「経験なし」の共通点


アンケートの結果、経験ありが46名(66%)、経験なしの方が23名(34%)と、パネルはがれは作家様の3人に2人が経験するお悩みだったことが分かりました。
- 制作歴半年以内
- レジンを使用しない
- ジェルメディウム接着
- パネル素材がラワン材以外
未経験の方は、制作歴が浅くまだ起きていないだけなことが予想されるケースと、使う資材で防いでいそうなケースに分かれました。
パネルはがれが起こる時期と、見えてきた3つの原因
はがれは制作直後ではなく、1年以内に起こったという回答が約9割でした。
特にレジンをかけた作品で発生したという回答が多く、レジン硬化時の収縮によってパネルとの間に力がかかることが原因の可能性があります。
また、使用しているパネルの種類による影響も考えられます。
ラワン材パネルはシナ材に比べて表面が粗いため、両面粘着シートとの相性があまり良くない可能性があります。
接着方法との関係を見ると、両面粘着シートよりもジェルメディウムを使用している作家様の方が、はがれにくい傾向が見られました。
【結論】長期で楽しむには接着方法を見直す必要がある
アンケートでは、両面粘着シートよりもジェルメディウム接着の方がはがれにくい傾向が見られました。
ジェルメディウム接着を含めた接着剤ごとの貼り付け方などはこちらでまとめています。(目次から貼り付け方にすぐ飛べます)


その他の効果的なはがれ対策はある?
他のはがれ防止対策として、レジンを天面より数ミリ下まで流したり、側面までレジンで覆う方法があります。
ただし、私はこの方法をしていてもはがれてきてしまった作品があります(冒頭の画像の作品も側面までレジンで覆ったものです)。
やらないよりは、はがれ始めるまでの期間を延ばせる可能性はありますが、これだけで万全とは言えないようです。
長期保存を前提にする場合は、やはり接着方法そのものを見直すことが重要だと感じています。
はがれてしまったパネルの直し方は?
パネルからはがれてきてしまった場合、完全に元通りにするのは難しいですが、補修する方法はあります。
再接着には「多用途ボンド」
はがれている隙間全体に多用途ボンドを塗り、乾燥まで圧着固定することで、ひとまず再接着ができます。
使うボンドは以下の2つの点に注意して選んでください。
樹脂にも対応するものを選ぶ
インクアート用紙は普通のボンドでは接着しにくい樹脂素材です。
ユポはポリプロピレン系、その他の用紙はポリエステル(PET)が多いです。それらと木部や紙(両面粘着シートの基材)が接着できるタイプを選びましょう。
黄変しにくいものを選ぶ
ボンドは経年で黄色く変色するものがあります。とくにエポキシ系接着剤は黄変が早いので、二液タイプは避けましょう。
また、念のためなるべくはみ出さないように補修しましょう。
※上記おすすめ多用途ボンドは黄変もしにくいです
【実体験】ボンドはあくまで「応急処置」かも
私自身、はがれたアートを何度か修復しているのですが、残念ながら数か月後にまた同じ場所からはがれてきてしまうことがありました。(冒頭の画像の作品もそうです)
よく見ると、アートとの接着側がはがれている部分と、木製パネルとの接着側がはがれている部分があったりして、粘着シート全体が劣化し粘着力が弱っている可能性や、修復時にボンドが浸透しきらなかった部分からはがれが進行している可能性があります。
一度レジンの力で浮き上がってしまったアートは、ボンドの接着力だけでは食い止めきれないケースがあるので、ボンド使用については応急処置だと考えるようにしています。
また、飾る場所が玄関などの温度や湿度の変化が激しい場所だと、さらに再剥離のリスクが高まります。
まとめ
アルコールインクアートのパネルはがれについて、みなさんへのアンケート結果と、そこから見えてきた原因や対策、私が行ったはがれの対処とその後について解説しました。
両面粘着シートによる接着は手軽でワークショップなどにかかせない一方で、レジンをかけた販売作品にするには少し心配な部分があると言えそうです。(※決して全ての作品が1年以内にはがれてしまうわけではないです。はがれやすい条件が重なっていてもはがれない作品もあります。)
接着方法や資材でパネルのはがれ対策をして、長く安心して楽しんでいただける作品を目指したいですね。




