金箔を取り入れたアートについて
パネル作品やレジンを扱うようになったら、箔も取り入れてみませんか?
下地を使えば盛り上げて金継ぎ風にすることも出来ますし、インクのメタリックとはまた違った輝きで高級感のあるアクセントになります。
⚫箔を使用してラインを出したアルコールインクアート作品
もともとは日本画をやっていた時に膠を使った古典的な技法を習い、今はもっと手軽に楽しめるクラフト材料などを使用した方法も製作に取り入れています。
⚫金箔を使用した日本画の作品
今回は私が製作に使用している箔下地とその使い方、本物の金箔とフェイク金箔の違いや使う時のポイントなどを2回に分けてご紹介します。
第1回は下地の方のご紹介です。
箔の下地について
私が作品で使っているものです。
左から、箔糊、ギルディングペースト、ジェルメディウム、グルースティックです。
1つずつ説明していきます。
【箔糊】
名の通り箔用の糊です。
紙だけでなく木部やアクリル、ガラス、金属、磁器等、幅広い素材に使用できる半透明なシャバシャバの液体です。
筆やハケで塗って、半乾燥状態で箔を貼ります。
【ギルディングペースト】
そのまま押し出して使えるチューブ型のペーストです。
ものはアクリル樹脂で、耐水紙はもちろんキャンバスやガラスや陶磁器など幅広く使えます。
約1時間乾燥させた後、箔を貼ります。
薄いクリーム色で、乾くと透明になります。
必ず全てしっかり透明になってから箔を貼ってください。乾いていない部分があると、箔を貼った時にはみ出して仕上がりが汚くなってしまいます。
●キットもあります(こちらはシルバー)
【ジェルメディウム】
リキテックスさまのジェルメディウムは箔の下地に使用できます。
●50ml
[rakuten id=”e-gazai-tougei:10013248″ kw=”ジェルメディウム リキテックス”]
●300ml
もともとは盛り上げや艶出しなどの目的でアクリル絵具に混ぜて使うメディウムで、これ単体でも使用できます。
使用量によって30分~3日間乾燥させた後、箔を貼ります。
白色のペーストで乾くと透明になります。
完全乾燥してしまうと、箔の種類によっては付きづらいことがあります。
塗ったあとの乾燥後はあまり放置せず、乾いたなというタイミングで貼るようにして下さいね。
【グルースティック】
グルーガン用のスティックです。
ホットボンドやホットメルトとも呼ばれています。
グルーガンを買うと大抵はまとまった量が付いてきます。
冷えて固まったら箔を貼ります。
グルースティック自体の材質が、少しベタつくようなものやツルツルなものなどありますので、触れるのであれば前者を選んでください。
ツルツルに固まって付きが悪い時は、ドライヤーやヒートガンで温めると少し改善します。
追加購入されるときは使うグルーガンに合わせた太さの確認を忘れないようにしましょう。
下地を扱うためのツール
続いてこれらを扱うためのツールをご紹介します。
左から筆やハケ、OPPシートを丸めて作ったコルネ、グルーガンです。
1つずつご説明します。
筆・ハケ
筆やハケは作品のサイズや箔を貼りたい範囲に合わせて用意します。
糊付けされた新品の筆を扱う時は、事前にしっかりと付け根まで糊を落として下さい。
ハケの場合は抜け毛があるので事前に扱いてほぐします。
OPPシートのコルネ
OPPシートは透明でハリのあるシートで、100均に売っているお菓子用の透明ラッピング袋が同じ素材です。
OPPシートのコルネは、アイシングクッキーでも使われます。
調べてもらうと詳細な作り方が出てきますが、先が細くて周りから漏れなければどんな形でも大丈夫です。
先を尖らせるように丸めて、端をテープで留めて下さい。
小さなものは100均にもあります。
この他に、ギルディングペーストのようなチューブタイプのものをさらに極細に絞りたい時も、セロハンテープをコルネ状に巻いて、先を細く延長して使っています。
グルーガン
グルーガンには低温タイプと高温タイプがあり、それぞれで使うグルーの直径も7ー8mm、11-12mmと異なります。
100均等でも見かけるクラフト用の小さいものが低温タイプで、高温の方は2000円程のお値段です。
●私が使っているものと同じタイプ品。ワット数切り替え可、11mm径グルー使用
高温タイプの方が加熱不足を起こしにくく、糸引きやグルー垂れが少なくて作業性が良いので断然オススメです。
スイッチを入れたあと、グルーガンがしっかり温まってから作業を開始して下さい。
余談ですが、グルーガンシーリングスタンプの時もこちらを使用してます。
いずれ作り方をご紹介しますね。
特徴一覧
それぞれのメリット・デメリットなどをまとめた表です。
※チェックが甘くてフォントが読みにくかったりズレたりしてます。すみません。
私は細く盛り上げたい時はジェルメディウム、太く盛り上げたい時はグルーガンを使っています。
ギルディングペーストはこのようにモリモリに塗っても(白色の2本のラインです)
乾くと低く痩せてしまいます。
左隣の太いゴールド(ひとつ上の写真では奥)はグルーガン、右隣の細いゴールド(ひとつ上の写真では手前)はジェルメディウムにそれぞれ箔を貼ったものです。
ギルディングペーストは低くはなりますがそれでも立体感は出ますし、手軽なので、高さを求めない時に使用しています。
ギルディングペーストとテクスチャーが似たものに木工用ボンドがあり、乾き具合のタイミングを測れば貼れないことはないです。
ただしボンドは酸性で、貼るものによっては劣化させる可能性が考えられるためご注意下さい。
まとめ
箔の下地に使える材料とそれを使うためのツールやメリットデメリットをご紹介しました。
箔の使い方は気になっている方が多いようで、私のインスタグラム(@artworkbyasami)で最も保存数の多い記事になっています。(今回は加筆してまとめ直しました。)
少し敷居が高いイメージがあるかもしれないですが、次回詳しくご紹介するフェイク金箔などでは1枚5-10円ほどですし、最初は小さなものから始めれば決して難しくないと思います。
作品の印象がガラッと変わって楽しいのでぜひ取り入れてみて下さいね。
●箔を使おう②金箔の種類や違いと使い方
ー coming soon ―