
ジェルメディウムってどうやって使うの?



種類がいくつも…どう違うの?



使い方や使い分け、解説します!
アクリル絵の具作品の表現の幅を大きく広げてくれるジェルメディウム。
今回はジェルメディウムでできること、使い方、よくある失敗、種類やメーカーによる違いなどを、初心者さんにも分かりやすい超基本から解説します。
・テクスチャーアートに興味がある
・絵の具で透明感のある作品を作りたい
・ジェルメディウムの注意点を知りたい
・ジェルメディウムを持っているが使いこなせていない
・ジェルメディウムの種類やメーカーによる違いを知りたい
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ジェルメディウムってなに?
ジェルメディウムはアクリル絵の具で立体的な表現ができるようになる画材の1つです。
主成分はアクリル樹脂(エマルジョン)。
アクリル絵の具がアクリル樹脂と顔料(色成分)からできている一方で、顔料なしのジェルメディウムは、いわば無色透明なアクリル絵の具のようなもので、一般的に乾く前は白いジェル状、乾くと透明になります。




ジェルメディウムでどんなことができる?使い方は?
ジェルメディウムはそのままで透明感を活かした水辺などのジオラマ制作や、アクリル絵の具と混ぜてテクスチャーアートなどとしてよく使われます。




また、顔料やマイカと混ぜれば好きな色の絵の具となり、パールパウダーやグリッターを混ぜれば透明感を活かしたキラキラ絵の具に、砂や粉末を混ぜれば好みのテクスチャー剤にと、絵の具と混ぜる以外にもさまざまな組み合わせができます。


▽ジェルメディウム+胡粉で作品を制作する様子はこちら
その他に、劣化が少ない接着剤として、コラージュや箔の下地剤(※メーカーによります)にも使えて、1本あると重宝します。
▽ジェルメディウムでアルコールインクアートのパネル貼り付け
作品への塗り方では、筆やペインティングナイフなど画材を用いる以外にも、スポンジやラップで表面の凹凸をつくったり、絞り袋やシリンジで立体的に絞り出す方法も。
ジェルメディウムが秘めている可能性を知ると、どんどん新しい作品のイメージが湧いてきませんか?
失敗や注意点は?
幅広い使い方ができて、表現の幅を広げてくれるジェルメディウムですが、使う時の注意点があります。
使い方を間違うとせっかくの作品が台無しに…なんてこともあるので、よくある失敗と対策をチェックしておきましょう。
はがれる
アクリル絵の具と同じく、基本的にどんな素材にも乗るジェルメディウムですが、下地によってはがれやすくなることがあります。
はがれにくくするためには下記のものに塗ることは避けるか、塗る前にプライマーなどで下処理をしましょう。
- 油性下地・・・油彩用キャンバス、油絵具の上など
- 湿った素材・・・乾燥不足の木材など
- 汚れた素材・・・油汚れやサンディングのカスなど
- つるつるの素材・・・ガラス・金属など
くっつく
ジェルメディウムは乾燥後もわずかにペタペタ感が残るものが多いです(ペタつきの少ないものは後述します)。
アート面を保護せず重ねたりすると、作品同士や、作品と包装紙がくっついたり、無理にはがせば剥げてしまうことがあるため、作品表面はニスや保護紙で保護しておくのがおすすめです。
▽アート作品専用保護紙。小さな作品ならクッキングペーパーで代用できます。


▽アクリル絵の具作品用ニス(バーニッシュ)スプレータイプでもOK


変形する
ジェルメディウムは乾燥後も弾力があり、やわらかなものが多いです(硬質なものは後述します)。
また、たっぷりと盛り上げた場合、中まで完全乾燥するのには数十日かかることもあります。
内部が乾き切らない状態や、乾燥後がやわらかなタイプのジェルメディウムでは強い力が加わると変形する場合があるため、強度が求められるものや重さが加わるようなものに使用するのは避けましょう。
特徴をおさえよう!【ジェルメディウム メーカー比較】
ジェルメディウムは、多数のメーカーから様々な商品が販売されています。
今回はホルベイン・リキテックス・ターナーの三社の商品について、レギュラータイプの品ぞろえや価格、そして各社で共通しているレギュラータイプと高粘度なヘビータイプを主とした仕上がりや使用感などを比較しました。
まずは各社のジェルメディウムラインナップからご紹介します。


▽サンプル品のような盛り方はこちらの動画
ホルベインのラインナップ
ホルベインのジェルメディウムは7種類。
粘度とヤセ具合で以下のようにマッピングされていて、ほかに乾燥前から透明で高光沢な仕上がりになるクリスタルがあります。






▽手持ちの4種を塗り完全乾燥させたもの(左上から時計回りにレギュラータイプ、ハード、ヘビーボディ、ハイソリッド)


リキテックスのラインナップ
リキテックスのジェルメディウムも7種類。
レギュラータイプ、ヘビー、超高粘度でヤセが少ないスパーヘビーのほか、マットな仕上がりになるタイプにもレギュラーとスーパーヘビー、超マットなウルトラマット、乾くスピードを遅くするスロードライがあります。




▽手持ちの3種を塗ったもの(左上から時計回りにマット、レギュラー、スーパーヘビー)


ターナーのラインナップ
ターナーのジェルメディウムは3種類。
ソフト、レギュラー、ヘビーで順に粘度が上がります。




▽手持ちの2種を塗ったもの(左:レギュラー、右:ヘビー)


三社の比較【容量・価格・仕上がり・使用感ほか】
ホルベイン・リキテックス・ターナーのレギュラータイプの容量展開や価格、そして各社のレギュラーやヘビーを中心とした仕上がりと使用感などを以下の表にまとめました。
スマホからご覧の方はスクロールできます→
商品 | 容量(ml) | 価格 (円/ml) | 仕上がり | 使用感ほか |
---|---|---|---|---|
![]() ![]() ホルベイン | 40 /120 /300 /900 | 4.4 (300ml) | ・黄変が目立つ ・エッジが際立つ シャープな仕上がり ・ハード以外の硬化後は やわらかめ、かつ ペタつきが強い | ・さっくりした使用感で形成がしやすい ・とくに高粘度タイプは黄変するため、 透明感や白さを活かしたい作品には向かないかも ・形状がスタンディングパウチやチューブで扱いやすく、 使いかけの乾燥が防げて◎ |
![]() ![]() リキテックス | 50 /60 /300 /500 /1200 /2000 /4000 | 6.16 (300ml) | ・透明 ・バランスが良い仕上がり ・硬化後は硬め | ・レギュラーが他社よりゆるい(ソフトタイプがないから?) ・粘り気があり扱いにコツがいる傾向 ・容量が豊富で大型作品にも向く ・価格が高い |
![]() ![]() ターナー | 250/ 500 | 3.52 (250ml) | ・透明 ・マイルドでなめらかな仕上がり ・硬化後のペタつきが 少ない | ・粘り気の少ないぽってりした使用感で扱いやすい ・価格が低い ・容量が限られ、少量の試用はしづらい |
※容量はレギュラー以外のジェルメディウムでは取り扱いがないものもあります。
※単価は2023年7月現在の定価。大容量タイプで安くなります。
メーカーごとの使い分けは?
使用感については、表現したいものや使用者によって大きく変わる部分かと思いますので、あくまで私の使い分け方になりますが、
モリモリさせてエッジをシャープに仕上げたいときや、深い色合いの作品のときにはホルベイン、
明るい色合いでみずみずしくやわらかい表現がしたい時はターナー、
オールラウンドに使えるのがリキテックスのイメージです。
今すでにジェルメディウムをお使いで、どうも思うような表現ができないと感じられている方は、ぜひ他メーカー品もお試しになってみて下さい。
まとめ
ジェルメディウムについて、できることと使い方、よくある失敗と対策、ホルベイン・リキテックス・ターナーのラインナップ紹介と比較、使い分けについて解説しました。
これからジェルメディウムに挑戦される方も、お手持ちのジェルメディウムを持て余していた方も、新しいアートのインスピレーションが浮かんだのではないでしょうか?
この記事を参考にさまざまな表現に挑戦してもらえたら嬉しいです。

