素材感や材質感を活かすテクスチャーアート
近年じわじわと人気が高まっているテクスチャーアートについて、道具の選び方ややり方、技法を前後編でご紹介しています。
●前回の記事 いるもの解説はこちら
今回は後編、いよいよペインティングナイフの使い方と技法のご紹介です。
ぜひ基本のやり方や応用のやり方をマスターして、ご自身の作品に取り入れてみて下さいね^^
ペインティングナイフの持ち方・使い方・選び方
ペインティングナイフの持ち方は置いてあるものを拾い上げた時のようにフワッと握るのが基本です。
表現によってはナイフ持ちや鉛筆持ちもして、力加減や角度をコントロールしましょう。
使い方について最初にお伝えしておくと、基本的にルールはなく、どういう風に使っても間違いではありません。
本格的に描く時は、ペインティングナイフの底面、先端、エッジを余すところなく駆使して、塗る、混ぜる、引っかく、削るといった作業をしていくイメージです。
なので購入の際は、前編でもお伝えした、しなりや弾力性、エッジの太さといった描きやすさに関わる部分の他に、ナイフ自体の大きさや、底面の形状、先端の形状、エッジの形状などを見て、ご自身が描きたい表現に合わせて選んで下さい。
ここから、基本的なペインティング技法とやり方をご紹介していきます。
混ぜる
混ぜるのが一番基本の使い方です。
絵具を混色したり、メディウムを混ぜ込むときに行います。
わずかに右のエッジに重心をかけて左に進み、また反対に左のエッジに重心をかけて右に進むことを繰り返します。
塗る
※以下の呼び方については全てご紹介する便宜上名前を付けました。
どなたかもっとかっこいいネーミング考えてもらえませんか?笑
平塗り
ナイフの底面にペイントを多めにとって、バターのように左右に塗り広げます。
最も簡単で、撮影ボードであればこの塗り方を重ねるだけでも十分本格的なものが出来ます。
長いナイフを使うと、広い面積を均一に塗りやすいです。
波塗り
平塗りの応用で、多めに取ったペイントをナイフ底面を広く使いながら波状に塗り重ねます。
波を緩やかにしたり大きく動かしたり、重ねる幅を狭めたり広げたりすることで、鱗のような表現やレースのような表現ができると思います。
先が尖ったタイプのナイフでもできますが、丸いタイプがやりやすいです。
段塗り
こちらも平塗りの応用で、底面に多めに取ったペイントを、ナイフのエッジで跡をつけるようにしながら塗り進めます。
画面側のエッジを定期的にムニュっと押し付けながら進んでいきます。
葉っぱや羽のような表現ができると思います。
エッジのカーブ具合で、できる跡が変わります。
描く
線描
エッジを極力立てて描いていきます。
すでに塗ったところを削って跡をつけるほか、
ペインティングもできます。
エッジが真っすぐなナイフがやりやすいです。
点描
ナイフに角度をつけて先端の方のみを使用して点を描きます。
ペイントを少なめに取るとナイフ跡を活かしやすいです。
先がとがったものだと小さな点を描けます。
ひまわり等花の中心の表現にも良さそうです。
塗りつけ
ナイフの底面にペイントを多めに取ったら、画面に置いたままの形で真っすぐ抜き取るように塗りつけます。
ペイントをナイフに取った段階で、形を綺麗に整えておくのがポイントです。
ペイントが緩すぎるとシャープな形を作りにくいです。
ナイフの先端の形状が変わると印象が変わります。
サイズを変えて重ねると花のようにもできます。
タッピング
平塗りしたところをナイフの底面でタップするようにして、毛羽立った模様を出します。
こちらもペイントが緩すぎたり、塗ったペイントがあまり多すぎたりするととツノがダレてしまいやすいです。
拭いとり
塗りつけるのと似ていますが、こちらは平塗りしたペイントに、拭い取るようにしてナイフ跡をつける要領で描いていきます。
基本的にナイフには何も付けずに描いていきます。こちら私のお気に入りです!
シャープなラインにしたい場合は硬めのペイントを使います。
トップの画像もこのやり方で描いています。
↓こちらの方は柔らかめの塗りつけで描いた作品
拭い取りと塗りつけ、見た目が似てるけど少し違いますね。
拭い取りの場合新たなペイントはあまり足していかないので、最初に平塗りしたペイントのカラーが活きてきます。
一方塗りつけの方は自由に色を乗せていける違いもあります.
まとめ
いかがでしたか?
ペインティングナイフ一本でできる表現はたくさんあります。
もちろんひとつの作品で様々な表現を組み合わせても良いですし、
前編の方でご紹介したテクスチャーと合わせれば、さらに自由度が高くなります。
自分の内の表現に、テクスチャーアートは絶好です。
創造性を存分に活かして、あなただけの作品を作りましょう^^
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レジン掛けは、内部まで完全乾燥してから行って下さいね。
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