アルコールインクアートへの文字入れについて
アルコールインクアートをしたら、文字を添えたくなることもありますよね。
ですが、アルコールインクアートに使うユポなどの耐水紙は、インクをはじいたり定着しなかったりして思うように書けない場合があります。
そこに濃い目のインクやメタリック系インクがのっているとなおさらです。
それでも文字を入れる方法として、トレーシングペーパーを重ねたり、アートをする前にマスキング液を塗っておいて後からはがすなどがありますが、
今回は直接アルコールインクアートに文字入れするのに向くペンやインクなどの画材を手持ちの中から探してみました。
※私はカリグラフィー(つけペンを使う西洋書道です)もしているのでインクも含めています。
さらに、文字入れ後のレジン掛けやレジンコーティング後に文字入れすることも想定して、それらのレジン耐性とレジンの上に文字入れするのに向くものも検証しました。
アルコールインクアートやレジンアートをした後に文字や絵を入れてみたい方は参考にしてもらえたら嬉しいです。
インクやペンなどの種類と選定色について
先に種類について触れておきます。
インクやペンなどには水性・油性の分類の他に、染料タイプ・顔料タイプの分類があります。
両者の違いは色素の大きさで、色素が小さな染料は、名前のとおり染め物などにも使われていて、透明感が魅力です。
一方で色素が大きな顔料は、絵具などにも使われていて、しっかり被覆(下の色を透けさせない)したり、紫外線に強いことなどが魅力です。
今回はアートの上に文字を入れるため被覆力のある顔料タイプのものから選びました。
また、より落ちにくいように、多くは耐水性のタイプにしました。
色はアートに合わせやすそうな、ゴールド、ブラック、ホワイト、とカッパー(銅色)から選んでいます。
試した画材
試したのは下の画像の23点です。
手持ちの中からいけそうかな?という物を選びました。
ほとんどが水性顔料タイプで乾くと耐水性です。
そうじゃないものはカッコに特記してあります。
左側上から
⚫uni-ball SigNO ユニボール シグノ ホワイト ペン
⚫PIGMA01 ピグマ0.1 ペン
横並び1段目
⚫顔彩耽美StarryColors スターリーカラーズ 青金 絵具
⚫Winser&Newton’s INK ウィンザー&ニュートン インク GOLD インク
⚫Liquitex LIQUID リキテックス リキッド IRIDESCENT BRIGHT GOLD 絵具
⚫TURNER AQRYL GOUACHE ターナー アクリルガッシュ GOLD LIGHT 絵具
横並び2段目
⚫Dr.Ph.Martin’s Bombay INDIA INK ドクターマーチン ボンベイ インディアインク BLACK インク
⚫〃 WHITE インク
⚫Dr.Ph.Martin’s Calligraphy colors Iridescent ドクターマーチン カリグラフィーカラーズ イリディッセント IRIDESCENT WHITE インク
⚫〃 SILVER インク
⚫〃 COPPER PLATE GOLD インク
⚫Dr.Ph.Martin’s PIGMENT ドクターマーチン ピグメント 53K COPPER(廃盤) インク
⚫PILOT パイロット 証券インク インク
⚫uni JETSTREAM ユニ ジェットストリーム(油性) ペン
右側上から
⚫SAKURA Pen-touch サクラ ペンタッチ GOLD(油性) ペン
⚫マッキー ペイントマーカー GOLD(油性) ペン
⚫東山 漫画ライナー カッパー ペン
⚫〃 ホワイト ペン
⚫マッキープロ 特殊用途DX(油性) ペン
⚫三菱 ペイントマーカー 黒(油性) ペン
⚫〃 白(油性) ペン
⚫ペんてる ホワイト(油性) ペン
⚫Dr.Ph.Martin’s ドクターマーチン PEN-WHITE (非耐水) インク
文字と線画を想定して、インクや絵具にはつけペンを使いました。
上二つはいわゆるつけペンです。
インクを使うとき、つけペンを使い慣れない方は下の物のようなガラスペンがおすすめです。
インクにちゃぽんと浸ければボールペンに近い感覚で使えます。
お手入れは使い終わったら水で洗って水気を拭くだけです。
●私も使用している日本製のガラスペン(まつぼっくりさんのもの)
●色数・デザイン豊富なエルバンのガラスペン
結果
み、見えるかな…?
以下に詳細を書きます。
アルコールインクアートに書けるもの
ペンやつけペンでアルコールインクアートに線を引いた結果です。
写真だとどれもしっかり書けているように写ってしまうんですが、実物は結構差があります。
被覆力が高く、しっかり色が出るという点で絞ると以下の物になります。
※【】は仕上がりの質感です。
ゴールド
⚫SAKURA Pen-touch サクラ ペンタッチ GOLD(油性)ペン【メタリック】
⚫Winsor&Newton’s INK ウィンザー&ニュートン インク GOLD(非耐水性) インク【ラメ】
⚫Dr.Ph.Martin’s Iridescent ドクターマーチン イリディッセント COPPER PLATE GOLD インク【ラメ】
ホワイト
⚫Dr.Ph.Martin’s Iridescent ドクターマーチン イリディッセント WHITE インク【ラメ】
⚫Dr.Ph.Martin’s ドクターマーチン PEN-WHITE(非耐水性) インク【マット】
ブラック
⚫PILOT パイロット 証券インク インク【マット】
⚫Dr.Ph.Martin’s Bombay INDIA INK ドクターマーチン ボンベイインディアインク BLACK インク【マット】
⚫三菱 ペイントマーカー BLACK(油性) ペン【グロス】
カッパー
⚫東山 漫画ライナー カッパー ペン【メタリック】
⚫Dr.Ph.Martin’s ドクターマーチン PIGMENT COPPER インク【ラメ】
以上10点かなと思います。
絵具類はなかなか色が乗らず薄くなりがちでした。
ペンでは、下のアートを溶かしてしまったり、色が乗らなかったり、乗っても薄かったり乾いたら沈んでしまったりして、残念ながら向かないと感じるものが多かったです。
同じ油性のマーカータイプでも書けるものと書けないものがあったり、同じブランドのペンでも色によって書けるものと書けないものがあったりするのも印象的でした。
レジンの上掛けに向かなかったもの
これらをレジンコーティングしたものです。
ゴールドの3色は色味や粒子感が結構違います。
カッパーも色味と粒子感がかなり違います。
ペンだとメタリックに、インクはラメっぽく仕上がります。
向かないと感じたのはブラックの三菱ペイントマーカー(太くて文字が潰れてしまったため、いっそ塗りつぶしてしまいました笑)と、ホワイトのDr.Ph.Martin’s ドクターマーチン PEN-WHITEで、
ペイントマーカーはレジンで泣いてしまい、ペンホワイトは色味が沈んでしまいました。
レジンの上に書けるもの
レジンに文字を書く場合、アルコールインクアート上と同じく被覆力の他、はじいたり乾いた後に触っても動かずにしっかり定着してある程度のひっかき耐性があること、ペン先の細さ、そして耐水性が欲しいです。
その観点からレジンの上に書けるものを選んだ結果がこちらです。
ゴールド
⚫SAKURA Pen-touch サクラ ペンタッチ GOLD(油性)ペン【メタリック】
⚫Dr.Ph.Martin’s Iridescent ドクターマーチン イリディッセント COPPER PLATE GOLD インク【ラメ】
ホワイト
⚫Dr.Ph.Martin’s Bombay INDIA INK ドクターマーチン ボンベイ インディアインク WHITE インク【マット】
⚫Dr.Ph.Martin’s Iridescent ドクターマーチン イリディッセント WHITE インク【ラメ】
ブラック
⚫Dr.Ph.Martin’s Bombay INDIA INK ドクターマーチン ボンベイインディアインク BLACK インク【マット】
カッパー
⚫東山 漫画ライナー カッパー ペン【メタリック】
⚫Dr.Ph.Martin’s ドクターマーチン PIGMENT COPPER インク【ラメ】
ペンタイプはゴールドのサクラペンタッチと漫画ライナーのカッパーのみになってしまいました。
細さを求めると大分絞られてしまいます。
レジン上に書く場合、私の手持ちではグロス系の仕上がりのブラックとホワイトは見つけられませんでした。
筆記用具から離れて、ペンキとかなら良いのかなぁ…
●ラメ系のシャイニーブラックはあります
まとめ
アルコールインクアートの上に書けるもの、レジン掛けOKなもの、レジンの上に書けるもの、いずれもドクターマーチンのインク中心の結果となってしまいました。
インクのきらめきはペンとはまた違ってテクスチャーがあって美しいので、この機会にトライしてみるものおすすめです。
※ドクターマーチンのイリディッセントインクは通常800円ほど。ゴールドのみ1,200~1,500円ほどのことが多いです。
Amazonは価格変動が大きいのでご注意ください。
また、このインクはとても沈殿します。普通に振った程度ではびくともしないくらいごっそり沈殿するので、使用前に竹串などでよくかき混ぜることを忘れないで下さい。
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ペンでは漫画ライナーが優秀でした。(ホワイトは沈んでしまったので、メタリック系が良さそうです)
太い細いをフレキシブルに調節できて、様々なサーフェイスに対応可能ですよ。
●私が住んでいる地域では店頭ではあまり見かけない漫画ライナー。ネットが確実です。
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アート完成後の文字入れや絵入れはとても緊張しますが、ぜひトライしてみて下さいね。