木製パネルについて
もともと日本画制作に使われることが多かった木製パネルですが、アルコールインクアートやレジンアートをする方にもわりと身近な存在なのではないでしょうか?
最近ではポーリングアートやテクスチャーアートも流行し、木製パネルを手に取る(キャンバスの方が一般的かとは思いますが)方が多くなっているかと思います。
今回は木製パネルのヤニとヤニ止めについてご紹介します。
木製パネルのヤニ
一般的に木のヤニというと樹液等のベタベタしたものを思い浮かべるかと思いますが、アート制作の場ではそういったものだけでなく、木から染み出す水溶性成分やアクや渋のこともヤニと呼びます。
木製パネルは使われている木材によってヤニが出やすいものがあります。
一度軽く水拭きしただけのラワン材木製パネル。
シナベニヤはアクが少なく出にくいです。
シナベニヤパネルを水拭きした様子。色が薄くヤニは少ないです。でも0ではない。
このようヤニがあるので、白色系や淡い色をそのままペイントすると経年や湿度などで黄ばんできてしまうことがあります。
ヤニが浮いても目立たない作品なら構いませんが、そうでない場合ヤニの処理やヤニ止めをしっかりすると安心です。
ヤニ止めの仕方
ヤニ止めの仕方を、道具が少ない物から順にいくつかご紹介します。
水拭き
一番簡単な方法が水拭きです。
濡れ布巾などで色がある程度つかなくなるまで何度か拭きます。
拭いた後はしっかり乾かしましょう。
とは言えこの方法は完全に取りきることは不可能なので、もともとヤニが少ないシナベニヤなどが向いていると思います。
フィキサチーフをかける
フィキサチーフとは鉛筆画やパステル画などを紙に定着させるために仕上げにかけるスプレーです。
ホルベインさまのフィキサチフはヤニ止めに使用できるそうです。※他メーカー品は不明です。
スプレーなので、塗布が少ないと隙間だらけになって効果が減殺されるのと、多すぎると絵具の定着性が損なわれます。
ほどほどの使用量を見極めて下さいね。
ヤニ止めシーラーを塗る
ハケやスポンジで塗るシャバシャバ系の液体です。
これが一番強力だと思います。
[rakuten id=”e-gazai-tougei:10026993″ kw=”ヤニ止めシーラー 200ml “]
こちらは使いやすい水性タイプです。
油性のペイント等を上から重ねることは向かない(シーラーが溶けてしまうことがあります。)ので、油性ペイントを使いたい場合はシーラーも油性タイプをご選択下さい。
また、完全乾燥に1日かかるので、アートをするより前の日に塗っておいて下さいね。
まとめ
木製パネルのヤニ(アク)とヤニ止めの方法についてご紹介しました。
知っていてもつい忘れてしまいがちな工程です。
ペイントの準備を終えた後、シーラーを塗っていないことに気が付いて1日伸ばさないといけなくなるのはあるあるです。
他に、下地に使われやすいジェッソ(絵具に似ていますが乳液状で、絵具の食いつきをよくしたり発色をよくしたりする下地剤)にはヤニ止めの効果はなく、ヤニが浮いてしまうことがあるので、ジェッソの下塗りにもシーラーを使った方が安心ですよ。
●ジェッソがもう塗ってあるジェッソパネル
せっかくの作品がヤニのせいで台無しになっては悲しいです。
見えない部分ではありますが、手を抜かないようにしたいですね。
シーラーを塗る時にも役立ちます
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