アートパネルの側面塗装!塗料の違いと選び方編

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アートパネルの側面塗装と塗料選びについて

アルコールインクアートやレジンアートをした木製パネル。

作品らしくなったけど、部屋との調和やアート面との完成度差などの面で、白木のままの側面が気になる…。ということがでてくると思います。

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もちろん白木のままの良さもありますが、さらにこだわりたい方は塗装(ペイント)をするのもおすすめです。

今回は、塗料のトの字も分かっていなかった私が、木製パネルの側面と、水のかかる木製コースターに塗ることを目的に選んだ塗料と、さまざまな塗料の特徴や選び方についてご紹介します。

前置き

まず前提として塗料は使い勝手や仕上がりで選ぶ必要があります。

私の場合、使い勝手って?仕上がりにはどんな種類が?という所から分からなかったので、その辺りから書いています。

※この調査はもともと私が自分の作品に塗る塗料を探したくて行ったものです。希望に沿わないものの一部には省いたり掘り下げていないものもあります。ご理解の上でご覧ください。

※おすすめのタイプをご紹介はしますが、使われる環境や目指す仕上がりによって求めるものは変わるはずです。最終的にはご自身の希望に合わせて選んでもらえればと思います。

また大切なポイントとして、画像の商品を必ずしもオススメする訳ではありません。

分からないなりに選んで塗ってみたけど、調べた結果これより良さそうだと思うものがあった商品もあります。

※塗装は全て2度塗りで試しています。
本来できるだけ同じ色、一定のペイント技術でやるべきだと思いますが、全ての商品を元々比較しようと集めたわけでは無かったのと、塗装のド素人だったので仕上がりにバラつきがあります。
写真は参考程度としてもらえればと思います。

塗装の基本を学びましょう

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ということで前置きが長くなりましたが、ここから本題に入ります。

パネル側面と、木製コースターの塗装。それぞれに私が選ぶもの

塗料の比較イメージ画像①ステイン・ワックス・ウレタンニス・ラッカーニス
塗料の比較イメージ画像②アクリル系

最初に結論を書いてしまうと、私が選ぶのは、耐水性が求められるコースターではアクリルペイント+ウレタンニス(クリア)

木製パネルでは上記に加えて、ステイン+アクリルニス(クリア)、その他、1種類で仕上げるならアクリルペイント半つやです。

これを読んで暗号に見えた方。大丈夫です。

この後の記事を読めば分かるようになると思います。

反対に、意味が理解できてイメージができる方にはこの後の記事は多分不要です。

ここまで付き合っていただいて恐縮ですが、ここより下は読み飛ばしてしまっても良いかもしれません。

塗料の選び方

それぞれどんな選択肢があるか詳しく見ていきます。

使い勝手

まずは使い勝手の面です。

以下に使い勝手に影響する項目をまとめました。

取り扱い(水性・油性)

塗料には、水で薄めることができ、使った道具も水で洗える水性と、うすめ液で薄め、道具もそれで洗う油性があります。

油性は匂いがきついものが多いですが、仕上がりや機能性に優れます。

ただし、近年は水性でもほとんど遜色のない性能のものが出てきているそうです。

私の場合、うちには幼児もペットも居て影響が気になるのと、家の中で簡単に作業したいので、取り扱いが楽な水性を選択します。

塗り方

塗り方には、商品によって筆やハケで塗る布ですり込むように塗るスプレーするなどの方法があります。

スプレーをする時は、屋外でやるか、換気を非常によくする必要があります。

さらに、周りが汚れると困るなら「塗装ボックス」を使用するなど囲いをする必要があります。

私の場合、コースターも木製パネルも狭い範囲を塗るだけなので、スプレタイプーは除外します。

サイズ

サイズは小容量~業務用まであります。

私の場合塗る面積も狭いし、早く使い切ることや収納スペースを考えて、小容量のラインナップがあるものを選びます。

乾燥時間

乾燥時間は温度や湿度の影響を受けますが、おおむね水性塗料は約30分~2時間、油性塗料は1~5時間です。

※内部まで完全乾燥するのには2週間近くかかります。

私は乾燥時間が短い水性を選びます。

その他に

その他に見ておきたいポイントに安全性があります。

VOC(シックハウス症候群の原因のひとつ)フリー、F☆☆☆☆(ホルムアルデヒドの分散が少ない)、食品衛生法適合、天然系成分を主成分としているなどといった人や環境にやさしく作られているものもあります。

私は比較的安全なものを使いたいです。

仕上がり

これがとても重要ですよね。

目指したいあの感じにするにはどんなものを選べばいいのか?そこが分からない…!

仕上がりの面から選ぶべき塗料をご紹介します。

私は基本的に水性を選択するので、(油性)と無い限り水性について書いています

木目

木目を活かしたいか、カバーしたいかが最初の選択です。

木目を活かす場合に選ぶのはステイン・ワックス・ニスです。以下に特徴をまとめました。

塗料の比較イメージ画像①ステイン・ワックス・ウレタンニス・ラッカーニス

ステイン···木に色を染み込ませるもの(クリアーもある)。シャバシャバ。

ワックス(油性)···着色(クリアーもある)と保護とつや出しをするもの。蜜ろう由来。半固形状で布等で塗る

ワックス入りステイン···ワックス成分の入ったステイン。シャバシャバ。

ニス···木の表面に樹脂の膜を作るもの。いくつか種類がある。アクリル系<ウレタン系<アクリルシリコン系の順に強度が上がる。その他ラッカー(油性)も。

塗ってみた感想として初心者にはカラーニスよりステインの方が断然きれいに木目を出しやすいです

一方で木目を隠したい場合に選ぶのはアクリル絵具やアクリルペイントです。

塗料の比較イメージ画像②アクリル系
・アクリル絵具···色のついた塗膜をつくる。不透明なものはアクリルガッシュ。でも厚塗りでヒビ割れしやすい。
リキテックスプライムにはアクリル絵具の不透明色と思われるものがあり、ヒビ割れもしにくい。

・アクリルペイント···アクリル絵具と基本は同じだけど、名前の通り塗りやすさや、機能性(安定性や安全性)に特化。

塗ってみた感想として、アクリル絵具よりアクリルペイントの方が伸びが良く、はるかに塗りやすかったです。

木目については私は作品によって活かすタイプでもカバーするタイプでもどちらを使っても良いと思いました。

木の手触り

木の手触りを残したい場合に使うのはステインやワックスです。

ステイン・ワックス・ワックス入りステインの塗装後の質感

ですがこのタイプのデメリットとして木の手触り=塗膜が無い(または薄い)ということなのでキズ等には弱くなります。強くこすると色落ちすることもあります。

またワックスの場合、本来定期的に上塗りしてコンディションを保つ使い方が良いとされています。

木の手触りを残さない(塗膜をつくる)場合に使うのはアクリル絵具やペイント、またはニス(両方でも)です。

アクリル絵具・アクリルペイントの塗装後の質感
白木・クリアアクリルニス・ラッカーニスの塗装後の質感
アクリルニス・ウレタンニス・ラッカーニスの塗装後の質感

※ホワイトのアクリルニス表記のものはアクリルペイント2回にアクリルニスクリアを重ねたもの、茶色のラッカーニス表記のものはステイン2回にラッカーを重ねたものです。

白木に直接ニスを塗るより染み込みを抑えられて強固な塗膜になります。

こちらのタイプは防汚や耐キズ等に優れます

ただ、もし劣化したりして塗り直す時には、前に塗られていたものは一度全て剥がす必要があります。(劣化して剥がれかかったペンキの上に、そのまま新しいペンキを塗ることができない、と言えばイメージしやすいと思います。)

ここで各種ニスついて特徴をざっとまとめておきます。

アクリル系···ウレタン系より塗りやすいが、傷や凹みができやすく置き物に向く。

ウレタン系···机やイスなど実用品にも使える強度。木製食器に使える安全性のものも

アクリルシリコン系···外壁にも使える強度。

ラッカー系(油性)···乾きがとても早く丈夫。水性ペイントへの上塗りはNG(下のペイントを溶かしてしまいよれたりべタついたりする)

木の手触りについては、私は防汚や耐キズも求めたいので塗膜を作る方を選びます。

ニスの種類ではコースター、木製パネルのどちらも置き物向きのアクリル系で大丈夫そうです。

より強度や安全性を重視するならウレタン系を選びます。

つや

つやの種類には、つやアリ、半つや(エナメル仕上げとの呼び方も) 、つや消し(マット)などがあります。

以下がそれぞれのつや感です。

・ステイン···ツヤ消し。

・ワックス···柔らかな半つや。

・ワックス入りステイン···微つや。

・ニス···基本的につやあり。半つや、つや消しタイプもあるので好みで選ぶ。塗り重ねる回数でもつやを調節できる。(薄塗りだと塗膜が薄いので強度等は落ちる)

・アクリル絵具···基本的につや消しか微つや。つやを出したければジェルメディウムを混ぜ込むか、バーニッシュ(アクリルニス)などでコーティング。

・アクリルペイント···基本的につや消しか微つや。ブランドによって半つやタイプ等も。

つや感については、ホームセンターに行くと塗り見本が置いてある場合が多いので、実物を見て比較するのがおすすめです。

色味だけでなく、つや感をチェックすることも忘れないようにしましょう。

私の場合はテカテカしすぎないのが好みなので、つや消しや半つやのもの、もしくはニスで調節することを選びます。

耐水性の実験

コースターなど水もかかる使い方をするなら耐水性も欲しいです。

私は何も調べず塗装した木製コースターが無惨な姿になってしまったことがあります。

カビが生えてしまったコースター

カビだらけ…!

夏場、結露した冷たい飲み物が常に置かれるような状況だったコースターの裏面です。

※下の方はマスキングに失敗したレジンです。この頃は塗装の基本も知らず、やすり掛けもナシでただワックスを塗っただけです。

もうこんな失敗をしないために、コースターに使用するのを想定して簡単な耐水性の実験をしてみました。

方法

それぞれ塗装したものに水を垂らして30分放置(飲み物を1杯ゆっくり飲み干すのを想定)して、その後拭き取り、吸水具合を目視や手触りで確認。

BEFORE

塗装後の耐水性実験before白木・ステイン・ワックス・ワックス入りステイン
塗装後の耐水性実験before・アクリル絵具・アクリルペイント・アクリルニス・カラーウレタンニス・ラッカーニス

AFTER

塗装後の耐水性実験after・白木・ステイン・ワックス・ワックス入りステイン
塗装後の耐水性実験after・アクリル絵具・アクリルペイント・アクリルニス・カラーウレタンニス・ラッカーニス

※写真が分かりづらくてすみません。

結果とまとめ

・白木···すぐに全て吸い込む。→すでに表面は乾いて見える

・ステイン···水滴が広がる→吸い込む

・ワックス···撥水する→吸い込む(以降水濡れして吸い込んだ部分は手触りが変わる)

・ワックス入りステイン···水滴は広がらない→吸い込む

・アクリル絵具、アクリルペイント···水滴は広がらない→吸い込む?表面が少し湿ったような状態

・ニス系···撥水する(アクリル<ウレタン<ラッカーの順に強力)→吸い込まない(触っても湿り気なし)
※ラッカーは比較参考用

ワックスは撥水しますが、時間経過で吸水してしまいました。

アクリル絵具、アクリルペイントは乾けば耐水性とは書いてありました(拭っても色落ちはしなかった)が、吸水は見られました。

ということで、しっかりした耐水性を求めるならニスを塗った方が良さそうでした。

まとめ

いかがでしたか?

改めて私の選択を書くと、

コースターにはアクリルペイント+ウレタンニス(塗膜を一番丈夫に。耐水性を持たせる)
木製パネルには上記の他、ステイン+アクリルニスや、単品なら水性ペイント(テカテカし過ぎないつやと防汚)にしています。

ちなみに私が使ったアクリルペイントのGRAFFITI PAINTはVOCフリーでF☆☆☆☆の環境にも人体にも配慮されたものです。

⚫40mlセット品

ステインはカンペハピオのもので、こちらはシックハウス対応かつ食品衛生法適合品です。

⚫100mlナチュラル色

ウレタンニスは和信ペイントのもので、こちらも同じくシックハウス対応かつ食品衛生法適合品です。

⚫130ml透明クリヤー

上記3点は使用感も良いと思いました。

塗料選びは、違いが分かれば楽しくなります。

ぜひイメージに合う塗料を選んで、作品をさらに素敵にランクアップさせましょう。

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