エポキシレジンの黄変原因とは?作品の黄変防止のために

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エポキシレジンの黄変について

私も使用しているアートレジンは、レジンの中では比較的黄変しにくいと言われており、アートレジン社も承認している第三者機関が黄変テストをした動画ではとても優秀な成績を修めています。

 

しかし黄変しにくいだけで、エポキシレジンなので経年による黄変は免れません。

 

私がアートレジンを使い始めて1年と少し経ちますが、初期の頃に制作した白背景の作品の一部では黄変が認められます。(制作の仕方に多くの原因がありましたが)

↑黄変しつつある作品。画像だと分かりにくいですね;

 

今回はアートレジン社や他のレジンメーカーのwebページを読み込んで分かった、黄変を早める原因や、黄変をなるべく遅らせるためにできることをまとめます。

●私が主に使っているアートレジン

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黄変の原因

黄変の原因は、紫外線と思われがちですが、実は硬化するより前の方にも多いです。

詳しくご紹介します。

 

ハードナー(硬化剤)の酸化

写真のように、ハードナーは黄変します。

左がレジン液、右がハードナーです。

これは混合前のハードナーが空気に触れて酸化することで起こります。

 

上記の写真のハードナーは開封後半年程しか経っていませんでしたが、容器の口部分を破損して密閉が保てなくなっていました。

 

新品で未開封のハードナーでも、容器の中が真空状態なわけではない他、容器のプラスチックがわずかに酸素を透過する場合があり黄変していることがあります。

 

黄変したハードナーを使用すると作品も黄変しやすくなってしまうそうです。

 

 

シリコンオイルや白色顔料などの添加

添加すると独特なセルを形成するシリコンオイルは、黄変を早めることがあります。

 

また白色顔料(二酸化チタンが含まれるタイプ=チタニウムホワイトなど)との混合も化学反応を引き起こし黄変を早めることがあります。

↑チタニウムホワイトで黄変したと思われる作品

 

特にチタニウムホワイトを入れてから炙りすぎると急速に黄変してしまうことがあります。

 

 

レジンのオーバートーチ(過加熱)

レジンを掛けた後、気泡を消すために炙りすぎる(オーバートーチ)と黄変します。

 

オーバートーチをどのように判断するかというと、煙(有毒です)が出たり、アート面に焦げ跡がついたり、硬化後では表面にくぼみや波打ちなどが見られるような状態を指します。

 

 

レジンをUVに当てる

硬化後のレジンは紫外線で劣化し、黄変します。

 

※アートレジンではこの対策にUV安定剤だけでなくヒンダードアミン系安定剤も添加されています。

二液が混合してから効果を発揮します。

 

 

黄変の予防と対策

黄変の原因が分かったところで、できる予防と対策をご紹介します。

 

使用期限を守る

アートレジン社ではレジンに開封前で1年間、開封後6ヶ月の使用期限を設けています。

 

古いハードナーは長く空気にさらされる分、酸化が進みやすい=黄変しやすいので、使用期限は守りましょう。

 

 

なるべく空気に触れないようにする

大容量タイプの場合、液体が少なくなってくると容器内で大量の空気に触れやすくなります。

 

速やかに使い切れない場合は、小さなサイズの容器に移し替えておくのが良いと思います。

容器は密閉タイプにしましょう。

 

 

二液の計量をきっちり行う

アートレジンのレジンとハードナーの混合比率は1:1なのでこれをきっちり守ります。

 

レジン液とハードナーの量がズレればズレるほど、化学反応が起こらないままの黄変しやすい分子が、硬化後のレジンの中にたくさん存在することになると考えられるからです。

 

ちなみにアートレジンの1:1とは体積(ml)であり、重さ(g)ではありません。

レジンとハードナーの比重が違うため、重さで量るとmlが厳密に1:1にならないので、計量はデジタルスケールやはかりではなく、必ず計量カップで行いましょう。

 

二液をしっかり混合する

アートレジンのUV安定剤やヒンダードアミン安定剤は二液を混合すると効果を発揮します。

 

混ぜ残しがある場合、硬化不良の原因になるだけでなく対UV面でも効果が期待できなくなってしまいます。

 

 

シリコンオイルや白絵具の種類や扱いに注意する

ポーリングアートなどシリコンオイルを使用した作品にレジンを使用する場合、しっかりオイルを除去しておきましょう。

 

白い絵具はチタニウムホワイトが1番強力でよく出回っていますが、それ以外にもいくつか種類があります。

 

黄変させたくない時はジンクホワイトなど、チタニウムホワイト以外の白系着色剤を選ぶと良いと思います。

 

また、同じチタニウムホワイトの白でも着色剤の形態(ピグメント・ペースト・水性絵具など)やブランドによっても黄変具合に差があるように感じていて、特に水分が含まれる水性絵具は黄変が早い傾向があります。

チタニウムホワイトを入れた後の炙りは特に短時間で済ませることを心がけましょう。

 

 

レジンを炙りすぎない

チタニウムホワイトが入っていなくてもレジンは炙りすぎない方が良いですね。

 

レジンの炙りすぎを防ぐためには気泡が速やかに消えることが大切です。

 

気泡を速やかに消すために、混合液中の気泡を少なくする必要もあると思います。

 

方法として、

①二液の混合時に空気を混ぜ込み過ぎない

シャカシャカ混ぜると多くの気泡が入ってしまいます。

 

②温める

冷たいと粘度が高くなります。温めることで粘度が下がり二液が混合しやすく、また混合後に気泡が浮上しやすくなります。

 

なお、アートレジンの容器は耐熱性ではないため、容器のまま湯煎する場合は50℃ほどの温湯で行うようにしましょう。

 

アートレジンの場合、混合したレジンの液温が60度付近になると、急激にレジンが固まる熱暴走が起こりやすくなります。

温めすぎにはご注意下さい。

 

③混合後少し時間を置く

気泡が勝手に浮上してきます。さっと炙って消します。

 

④時間を掛けすぎない

③と少し矛盾するようですが、アートレジンは作業時間が決まっています。

通常は混合から45分、温めた場合は短縮されて30分です。

 

この時間を過ぎると硬化に向けて粘度が高くなり気泡が抜けにくくなるので、レジンアートや広い面積にレジンを掛けるときは特に手早くすることを意識します。

 

 

レジンを重ねすぎない

これは直接的な解決方法ではないですが、レジンを何度もかけて厚さがあればそれだけ黄変が目立ちます。(黄色いフィルターが1枚か2枚か3枚か…)

 

黄変を目立たせたくない作品の場合何層にもレジンを重ねることは避けた方が良いかもしれません。

 

 

UVを避ける

紫外線を避けるためには直射日光だけでなく照り返しにも注意が必要です。

 

また蛍光灯からも紫外線は出ているので、アートを飾る場所には配慮が必要です。

 

大掛かりですがUVカットシートを窓や照明に貼る方法もあります。

 

 

レジンに着色する

水色や黒色でわずかに着色しておくと、黄変を目立ちにくくできます。

 

また黄変してしまったレジンを作品に使いたい場合、濃いめに着色するアートにならあまり気にせず使えますね。

 

 

まとめ

レジンの黄変について原因と対策の仕方をご紹介しました。

 

理由を知っているとレジン行程のやり方が変わるかと思います。

 

黄変を目立たせたくない作品の場合、扱いが少しデリケートになりますね。

 

黄変しても目立ちにくい作品や、黄変してもそれが味になるような作品を考える方がもしかしたら簡単かもしれないですね…笑

 

 

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