アルコールインクアートのリップルズ(極細に連なるライン)について
連なる極細ラインのデザインもアルコールインクアートの醍醐味ですよね。
私はリップルズやリップルマーク(意味はそのまま波紋や風紋の英訳です)と呼んでいますが、アゲートラインや年輪、海外ではRipplesと呼ばれたりしています。
今回ご紹介する動画とやり方は一番ベーシックな線の出し方ですが、さらに応用の内容を対面・オンラインでレッスンしております。
ぼかしラインやグラデーションのライン、うねりやねじれを使ったデザインの組み方など一歩進んだ表現ができるようになりたい方はこちらのレッスン案内ご覧下さい^^※現在休止中です
アルコールインクアート リップルズの描き方動画
※画質がへっぽこすぎて肝心のラインが分かりづらいですが、サムネイルの作品の製作動画です。
下で描き方のポイントを解説しますが、先に動画を見ていただくとイメージが湧きやすいと思います。
描き方のポイントと使用品
描き方はアルコールたっぷりでインク液を作って(もちろん薄めたインク液を先に別容器で作るのもOK)、ドライヤーを一呼吸ずつ規則的に動かすイメージで徐々に乾かしていきます。
※インク液が広がりすぎないように、画面左下の辺りの紙を持ち上げて角度をつけています。
この時、インク溜りに動きがないように見えてもしつこく同じ動作を続けてください。
慣れないうちはドライヤーは紙面と垂直にして、インク液の外周より気持ち離して乾かしていきます。
使うドライヤーの威力にもよりますが、最初は拳大以上の大きさがある方がやりやすいと思います。
サイズが小さすぎるとドライヤーの風で一瞬で乾いてしまって描けないです。
最後の方にできる濃い目のインクだまりは、動画のように次に繋げていくか、または途中で拭き取ってしまっても良いです。
極細のラインを出すにはいくつかポイントがあります。
ひとつずつご説明します。
アルコールはIPA(イソプロパノール)を使う
エタノールでも描けますが、IPAはより乾きがコントロールしやすくくっきりした極細の線が出しやすいです。
●エタノールで描いたもの
●IPAで描いたもの。ライン幅の広狭、デザインも自在に組めます。
※IPAは有毒です。扱う時はガスマスク、ゴーグル、ニトリル手袋をし、換気を非常に良くしましょう。
肌の露出もできるだけ抑えましょう。
そして静電気含め火気厳禁です!
●詳しい記事はこちら
ガスマスクがあると安心です。
●私が使っているガスマスク。伝声器つきで声が聞こえやすいです。
●吸収缶を2つ買って取り付ける必要があります。取り付けははめるだけで簡単です。
●ガスマスクの詳しい選び方や使い方、3Mとシゲマツの比較レビューはこちら
紙を選ぶ
白色PET系の紙が線を出しやすいです。
ただ、一部の白色PETでは描けません。
こちらも手に入りやすい紙ですが、線がぼんやりしてしまって極細の線は描けないです。
●フジテックスさまのPETタイプ小容量タイプ
[rakuten id=”fujitex:10024113″ kw耐水紙 パウチフリー PET A3 10枚”]
ユポは大丈夫ですよ。
湿度が低い日に描く
湿度が高いと線がボケやすいです。
色を選ぶ
コピックインクならコピックカラーホイールの外側の方にある色で、
末尾の数字(明度を表します)が大きめかつ、ある程度くっきりした色だとやりやすいと思います。
※Eはこの限りではありません
●コピックの色についての記事
↓↓↓
この理由は2つあって、インクに含まれる染料の量によるのか上手くできない色があるのと、元から薄く淡い色のインクだとリップルマークができてもそもそも目立ちにくいからです。
※YG23でこの技法で描いたもの
光の当たり具合でわずかに黄色のラインが見える程度です。
インクの色によって線の出やすさが違うというのを念頭に置いて、お手持ちのインクで試してみてください。
動画の使用色はBG78とBG49です。
おわりに
全て試してみたけど描けないという方は、一度IPAを思ってる量の2,3倍にしてみて下さい。
そして一呼吸ずつ置きながら、動きが無いように見えても乾き切るまで同じ動作を繰り返してみましょう。
ラインを出すにはインク液の濃度が重要ですが、初心者さんは濃くなってしまいがちです。
すっっごく薄めてジワジワと乾かしていけばどこかでちょうど良い濃さになります。
線が出てくる濃度具合を覚えることで、段々と最初からその色ごとに違う正解のアルコール量に近づけて描くことができるようになると思います。
この考え方に基づいて、動画でもオーバーなくらい多めで描いていっています。
線の出し方をマスターしたら、繋げたり重ねたり角度を変えたり、反復する腕の動きを変えたりして作品にバリエーションが出せます。
デザインの幅がぐっと広がり楽しくなると思うので、ぜひトライしてみて下さいね。