アルコールインクアートの飾り方いろいろ
せっかくアルコールインクアートを描いたら、そのまま放置ではもったいないです。
お部屋に飾るためのツールとして、フォトフレーム、額縁、木製パネルなどがあります。
作品のニュアンスに合ったものを選べば、より魅力を引き立ててくれますし、一気に本格的な雰囲気になります。
また額縁などに入れることは、作品を保護したり、長く楽しむことにも繋がるので、大切な作品はぜひ適切に飾られると良いと思います。
今回はそれぞれのツールの特長と使い方などをご紹介します。
フォトフレーム
フォトフレームに入れるのが最も身近で手軽な方法です。
今や100円ショップにもおしゃれなデザインのものがたくさんあります。
アルコールインクアートにおすすめのデザイン
私のおすすめはフローティングフレームと呼ばれるタイプです。
真鍮などの縁取りのある2枚のガラスで、写真やアートを挟んで飾ります。
ガラスのサイズより小さな作品を入れる時は、ズレ防止に裏面の一部を両面テープなどで止めると良いです。
壁掛けできるものもあり、名前の通り作品が浮かんでいるような軽やかさが出せます。
どんなお部屋にも馴染み、作品を引き立てつつ、洗練された雰囲気にしてくれると思います。
●約13×18㎝
●10×10㎝壁掛け
フォトフレームタイプは手軽でサイズも小さめな分、季節や気分に合わせてアートを入れかえるような心構えで飾るのが良いと思います。
少しだけ長く楽しみたい場合はアクリル製のものを選びましょう。
通常のアクリルでも紫外線を9割ほどはカットしてくれるので退色を遅らせる効果が期待できます。
●A4
コピックは特に退色しやすい色があります
↓↓↓コピックの退色実験
額縁
大切な作品を飾るなら、作品保護の面でフォトフレームより額縁がよりおすすめです。
額装マットについて
額縁に入れる時は額装マットを使いましょう。
額装マットは、額縁のガラス(またはアクリル)面とアートの間に挟みこむ厚紙の枠で、美術館などで額装されている作品のほとんどに使用されています。
色やテクスチャも様々あり、額縁屋さんで購入でき、好きな幅にカットしてもらえます。
額縁屋さんでは実際見ながらプロに相談して決められる(もしくは任せられる)良さがあっておすすめですが、ネットでの注文もできます。
額装マットにはいくつかの役割があります。
1つが額縁のガラス面とアート面が密着してしまうのを防ぐことです。
両者が密着していると、額縁の中に結露が発生した時、作品が直接ダメージを受けてしまいます。
またガラス面の熱が直接アート面に伝わることも作品にとって良くありません。
額装マットは両者の間にすき間を作ってそれらを防ぐ他、吸湿もし、額縁内部の環境を整えてくれます。
2つめが絵と額縁のサイズを合わせることです。
絵が額縁より小さくても、額装マットの幅を広くすればお気に入りの額に対応させられます。
3つめが作品の印象を変えることです。
マットの幅を広くとるか狭くとるかで作品自体の印象も変わります。
広くするとゆったりとした印象になります。
ただあまりにも幅が広すぎると、肝心の作品を小さく見せてしまうので、気になる方はweb額縁シミュレーターなどで事前に雰囲気をチェックしましょう。
↓マルニ額縁画材店さまのシミュレーター(外部サイト)
額装マットは幅の他、先述した通り色やテクスチャも自由に選べます。
作品を引き立ててくれるような組み合わせを選ぶようにしましょう。
4つめにトリミング枠として使えることです。
額縁に入れる前の額装マットはそれ単体で、アルコールインクアートをどこでカットするか検討をつけるためのトリミング枠に使用できます。
枠を通してみると、作品の新たな一面が発見できると思います。
よく作る作品サイズのものは一枚持っておくと便利ですよ。
油彩額・日本画額
額縁には、薄い紙の平面作品を入れるタイプ(デッサン額)の他に、油彩額・日本画額などと呼ばれる、パネル作品を入れられるものもあります。
両者の違いはデザイン面で、油彩額の方はアンティークで荘厳な雰囲気のものが良くそろっていて、日本画額はスッキリと落ち着いた雰囲気のものがそろっている傾向です。
どちらもパネルにした作品をそのまますっぽり収めて飾る必要があるため、額装マットでサイズを調節出来る平面タイプと違ってサイズがぴったりのものしか使えません。
※厚さについては多少薄いものならマットで底上げして調節できます。
この額縁のサイズは絵画規格と呼ばれるF,P,M,Sと号数で表されます。
※これについては後に説明してます。
木製パネルではB5やA4など紙のサイズと同じ物もあり、呼び方がこちらの方がなじみ深いとは思いますが、これらは額装する時に高額になりがちな特注で作るしかなくなってしまうので、作品は絵画規格のパネルで作られることをおすすめします。
●ゴールド系油彩額SM(227×158㎜)サイズ用
カバーの材質
額縁のカバー部分の材質には主にガラスとアクリルがあります。
何となくガラスの方が本格的っぽい気がするかもしれませんが、アクリルが断然おすすめです。
先述した通り通常のアクリルは紫外線を9割、そしてUVカットアクリルなら98%カットしてくれるため、コピックインクの退色を多少は遅らせる効果が期待できます。
※食い止めることはできません。
ガラスにもUVカットタイプはありますが、高額で額縁の素材として一般的では無いです。
また、ガラスの場合額縁自体が重くなるし、割れやすいので、取り扱いの面でもアクリルタイプがおすすめです。
●UVカットアクリル デッサン額(作品サイズ:200×200mmまで)
壁掛けの仕方
額縁を掛ける時は、表から紐が見えない方がスマートです。
また、ねらった場所にきっちり掛けるにはコツがいります。
その方法をご紹介します。
まずは額縁の方の準備です。
裏側の端から端へ二重にした紐をできるだけピンと張って結びます。
その時、結びこぶが真ん中に来ないようにして下さい。後で掛ける時に邪魔になってしまいます。
壁の方にはレールを設置して吊るしたり、壁掛けフックなどを取り付けます。
二三本の虫ピンを刺して固定するだけのタイプが簡単でおすすめです。
耐荷重を確認して、心配な時は2つ並べて使用して下さい。
●壁掛展示用フック
壁掛けフックを取り付ける位置は、アートを飾りたい位置に合わせて決めます。
ここがポイントです。
壁に額縁をあてて飾る位置を決めたら、額縁上部中央部分の壁にメンディングテープ(マステより弱いテープです)などで1つ目の印を付けます。
額縁に戻って、額縁裏に渡した紐を、壁に掛けるのを想定して上方向に引っぱり、たわみを除いた状態にして、そこから額縁自体の上部中央部分までの残りが何センチあるか測ります。
壁に戻り、1つ目の印から先程測った長さだけ下方向に下ろしたところに2つ目の印を付けます。
この2つ目の印がフックを取り付ける位置になります。
この方法を使えば表からは紐を見せることなく、ねらった位置にきっちりと額縁をかけることが出来ます。
多少面倒ですが、少しの位置の違いでも他のインテリア等とのバランスでお部屋の印象は変わるので、覚えておくようにしましょう。
パネル
アルコールインクアートをパネルに貼ると、絵肌をそのまま活かして飾れるようになります。
さらにレジンコーティングもできるようになります。
●パネルへの貼りつけ方はこちらの記事
●レジンコーティングのやり方はこちらの記事
木製パネルの形とサイズ
絵画用パネルの形はF,P,Mで表されます。
全て比率の違う長方形で、F < P < Mの順に細長くなります。
もともとF=Figure(人物)、P=Paysage(風景)、M=Marin(海景)の頭文字ではありますが、用途はそれに限らず使い方は自由なのでお好みでお選び下さい。
他にS=Squareの頭文字で正方形のタイプがあります。
※左はF、右がSです。
●シナベニヤパネルS0(180×180mm)シナベニヤは白っぽいです
その他、特殊な形でSM(サムホール)、WSM(ダブルサムホール)と呼ばれるさらに細長いものや、
※画像の作品はWSMです。
●シナベニヤパネルSM(227×158mm)
円形や六角形や楕円形などもあります。
※手前の作品がP,後ろは円形です。
↓私もお世話になっている画箋堂さまの製品販売サイトマテリエ(外部サイト)
サイズは絵画規格品だと0号から500号まであります。
↓日本画画材のお店、丹青堂さまのページ(外部サイト)
飾り方
木製パネルは裏側に枠がついた構造になっています。
飾る時は枠部分を、壁に刺した画鋲等にひっかければOKです。
サイズが大きいものなど、額縁のように紐を渡す必要がある場合は、枠部分の内側に木ネジで三角カンなどを取り付けます。
●三角吊カン
その他のパネル:MFD材・ベニヤ材
アルコールインクアートを貼り付けられるパネルとして、手に入りやすい価格のものにMDF材の板や厚さの薄い杉材の一枚板(ベニヤ材)などもあります。
⚫六角形材、直径7.5cm5枚入
⚫MDF材、直径10cm5枚
MDF材はおがくずを接着したものなので、ボロボロになってしまって木ネジの使用は向きません。また、薄い木材も割れやすくネジは使えません。
追記※小さなねじで済む、小さめサイズの軽いMDF材は木ねじも大丈夫でした。
三角吊カンと合わせてこのような感じで取り付けます。
この時も、結びこぶが真ん中に来ないように結びましょう。
MDFパネルのタイプは基本的にコースターなどとして平置きするか、もしくは以下のようなプレートスタンドや
↑こちらはセリアで購入しました。
↓もう少し大きなものを飾る時
●直径9cm-15cmパネル用スタンド(製品高さ10.5cm)4組
イーゼルを使用して立て掛けて飾るのがおすすめです。
小ぶりなものは、壁を傷つけない「ひっつき虫」などでペタッと貼りつけてしまうのも良いですね。
それぞれのパネルに合わせて、その形でしか表現出来ない作品を考えるのも大きな楽しみですね。
パネルの塗装をしましょう
↓↓↓塗装の基本を知る
まとめ
手軽なフォトフレーム、作品を守れる額縁、絵肌が活かせて多様な形があるパネルについて、特徴や飾り方のポイントをご紹介しました。
それぞれ良さを理解すると選択の幅が広がり、作品もお部屋も一層輝かせることができるようになると思います。
ぜひお作りになったアルコールインクアートはもうひと手間かけて衣をきせて、ベストな状態でお部屋に飾りましょう。
●飾る前に!作品のスプレーコーティングについてはこちら