【徹底解説】テクスチャーアートを始めよう!① 道具編

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Aさん

最近聞く、テクスチャーアートってなに?

Bさん

テクスチャーアートについて詳しく知りたい

著者Asami

どこより詳しく解説します!

この記事で分かること
  • テクスチャーアートにいるもの
  • テクスチャーアートのやり方
  • 道具と使い方について

↓目次から好きなところへ飛べます

Contents

材質感を活かすテクスチャーアート

テクスチャーアートをご存じですか?

テクスチャーアートとは素材感や材質感を活かした絵肌を作るアートです。

シンプルなテクスチャーアート作品

今回は、テクスチャーアートに使う道具とその選び方、下処理、そしてやり方や技法を前後編に分けてご紹介します。

前後編どちらの記事も最後まで読んでいただくと、商品イメージに合わせた自作の撮影ボードがささっと作れたり、

本格的なテクスチャーアートレッスンに必要な知識が身に付きますよ^^

↓後編はこちら

あわせて読みたい
テクスチャーアートを始めよう!② やり方編 テクスチャーアートのペインティング技法をご紹介します。道具と画材の前編に続き、こちらは技法についての後編です。

今回もすっごく長いので、はしょって読みたい方は太字のみさらって下さい。笑

テクスチャーアートに使うもの

とにかくテクスチャーアートに必要なものだけ知りたい方は、以下のボタンの資材リストをご覧ください。

テクスチャーアートに必要なものは主に、

支持体

描画ツール

テクスチャー画材

絵の具

の4つです。

それぞれ解説していきます。

支持体

ペイントを施すベースとなるもののことを支持体と呼びます。

テクスチャーアートの支持体としてはキャンバスや木製パネル(または木板)がポピュラーで、他にガラスやプラスチックなども使えます。

アクリル絵の具は素材を選ばずどんなものにも描けますが、選ぶ支持体によっては下処理が必要になります。

さまざまな支持体の特徴・選び方と、下処理の仕方を学んでいきましょう。

キャンバスの種類と選び方

最初に要点を押さえておきます。

これだけは押さえたい!キャンバス選びのポイント
  • 水彩用、または水彩・油彩兼用にする
  • 側面までアートする時は包み張り(フローティング)タイプにする
  • レジンをかけるならキャンバスボードがおすすめ

詳しく解説していきます。

キャンバスは一般的に、木枠や木板に布地を貼った支持体のことを指します。

使用される布地の素材が、麻(リネン)、綿(コットン)、化繊や混紡があり、素材の違いによって絵具の吸いこみや、濡れた時の張り・弾力などの特性が違います。

この中では麻(亜麻)が最も良質と言われていて高価です。

それぞれの布地は織り具合によって表面の状態が異なり、粗目(あらめ)、中目(ちゅうめ)、細目(さいめ)と呼ばれる種類があります。粗目がガサガサ、細目がツルツルです。

中目が一般的ですが、よりダイナミックに描きたい時は粗目、より細密に描きたい時は細目のように、描きたい絵や表現によって使い分けます。

そしてこの布地には、目止め剤と呼ばれる布地の織り糸同士をくっつけるものや、

地塗り剤と呼ばれる絵具の食いつきをよくしたり、表面を整えるためのものが塗られています。

キャンバスは地塗り剤の種類によって、油彩用、水彩用、油彩・水彩兼用に用途が分けられています。

テクスチャーペインティングには油彩用キャンバスは使えません。

水彩用か、油彩・水彩兼用のものを選んで下さい。

●F4サイズのキャンバス

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キャンバスの布の目地を無くしたい時は、ジェッソの下塗りとヤスリがけを繰り返して好みの表面になるまで整えてから使用します。

布地の張り方について、側面に鋲が打たれる形が一般的ですが、包み貼りやフローティングと呼ばれる側面まで包み込まれて裏側で留められているものもあります。

側面までアートしたい時は包み貼りタイプを選ぶようにしましょう。

キャンバスボードも包み貼りになっています。

【閑話】アルコールインクやレジンはキャンバスに使える?

アルコールインクやレジンとの相性についてよくご質問をいただくので追記しておきます。

アルコールインクアートは油彩用・水彩用どちらのキャンバスにも使えます。

ただし油彩用キャンバスは吸収性が無く乾燥に時間がかかり、水彩用キャンバスは吸収性が高い特徴があり、書き味や生地の内部の状態などが違ってきます

特に仕上げとしてスプレーコーティングしたり、レジンをかけたりする場合、選ぶキャンバスによって染み込みが発生したりしてアートの状態が変わってしまう可能性があり、注意が必要です。

※情報のご提供ありがとうございました。

レジン掛けについては少しコツが必要になります。

木枠タイプのキャンバスの場合は、キャンバスが大きかったり生地の種類(綿など)によっては”たわみ”が発生しやすくなります。

平滑にレジン掛けをしたいなら木板タイプのキャンバスボード(MDFの板などをキャンバス地で包んだもの)の方がやりやすくオススメです。

側面鋲のタイプのキャンバスの場合は、折り込みの部分にレジンをかけてしまうと、そこのレジンが薄くなったり剥がれてきたりしやすいためこちらも注意が必要です。

木製パネルの選び方

続いて木製パネルについて学んでいきます。

木製パネルにそのままアクリル絵具を乗せるのは避けた方が良いです

元になっている木材の種類よって、水分と反応すると着色成分などのアクやヤニが出て、絵具の色が変わったり経年で黄ばみが現れてしまうことがあるためです。

特にテクスチャーアートで盛り上げ表現をすると、絵の具が内部まで乾くのに時間がかかり、その間じわじわと木の着色成分を吸い上げてしまい、非常に変色を起こしやすいです

変色しにくいパネルや下処理済みのパネルを知って、永く楽しめる作品を作りましょう。

先に要点をまとめます。

これだけは押さえたい!木製パネルの選びのポイント
  • シナ材を選ぶ
  • 必要に応じてヤニ止めやジェッソで下処理をする
  • ジェッソパネルを選ぶ

詳しく解説していきます。

木製パネルを使う場合は、せっかくのアートを変色で台無しにしないために、アクが少ないシナ材のものを選ぶようにしましょう。

日本で売られているパネルのほとんどはラワン材かシナ材製です。

シナ材は色が白く、木目が詰まっていて綺麗に仕上げやすいです。

●シナベニヤパネル

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ですが、四角形以外の形のパネル(円形など)ではラワン材のものしか選択肢がない場合もあります。

また作品をホワイト系や淡い色合いに仕上げたい時はシナ材でも要注意。

そんな時はペイント前の下処理が必須となります

●木製パネルのアク(ヤニ)や下処理の仕方についての詳しい記事はこちら

あわせて読みたい
その作品、黄ばんじゃうかも!?木製パネルのヤニと下処理について 木製パネルに直接ペイントすると、ヤニやアクが原因で経年で黄ばんでしまう場合があります。黄ばみを防ぐ一番最初の下処理の仕方を解説します。

撮影ボードなどとして一時的な使用をお考えなら、そこまでシビアに考えなくても大丈夫です。

手に入りやすいMDFのようなパネルでも十分製作はできますし、MDFはアクも少ないです。

その他に、ジェッソパネルという下処理済みのものもあります。

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こちらはこのままペイントしていくことができて手軽です。

ただし、選択肢が少なく、ラインナップが長方形のみに限られます。

円形などの変形パネルを使いたい場合には、やはり下処理が必須となります。

キャンバス・パネルについて

いざキャンバスや木製パネルを購入しようとすると、独特なサイズ表記に気付くと思います。

キャンバスや木製パネルの形や大きさには、A4,B5などの紙規格の他に、S,F,P,Mで形、0~の数字で大きさを表す絵画規格が用いられます。

紙規格と絵画規格どちらを選ぶべきかについては、絵画規格を選んでおくのがおすすめです。

理由として、公募展やコンペ、展示会などでは絵画規格を指定されることが多いことと、額装する際に絵画規格の方が額縁の種類が豊富なためです。

紙規格の方が親しみがあるとは思いますが、作品を飾る場合やその後の可能性を考えると、絵画規格に慣れておくのも良いでしょう。

絵画規格では形を表すアルファベットはSquare・正方形、Figura・人物、Paysage・風景、Marine・海景の頭文字で表され、S>F>P>Mの順で四角形が細長くなっていきます。

名前はそこから来ていますが、どんなアートにどの形を選んでもOKです。

他にSM(サムホール)、WSM(ダブルサムホール)と呼ばれるさらに細長い長方形や、円形など特殊な形もあります。

好みや作品イメージに合わせて選びましょう。

ちなみにキャンバスや木製パネルをそのまま入れられる、深さがある額縁は、日本画額・油彩額などの名前で見つかります。

テクスチャーアートの額装には絵肌をそのまま活かせる仮額(・仮縁)も面白いと思います。

スマホケースなどの下処理

支持体ブロックの最後は、ガラスやプラスチックを支持体にする場合の下処理についてです。

アクリル絵の具は基本的に何にでも描けますが、表面がツルツルで且つ水分が染みこまない素材の場合、

描けるといっても絵の具が乗るだけで、乾いたときに絵の具がペリッと取れてしまうこともあります。

特にソフトケースに、乾くと硬質になる絵の具やテクスチャーを使う場合は要注意です。

はがれを防止するために、ヤスリでキズをつけたり、専用のプライマーを塗ったりすることで固着性をアップさせます。

プライマーはトロっとした液体で少し泡立ちやすいので、静かに塗るようにしましょう。

インテリアとして飾っておく分にはあまり心配ないと思いますが、実用性のあるものにペイントする時などはこの下処理を忘れないようにしたいですね。

支持体まとめ

支持体の選び方と下処理についてのまとめです。

支持体まとめ
  • キャンバスは油彩用以外を。木製パネルはシナ材を。
  • どちらも絵画規格のものを。
  • 木製パネル→ヤニ止めシーラー塗布(ジェッソ塗布)
  • プラスチック→サンディング、ガラス→プライマー塗布

描きたいものに思い通りに描くための素材選びや下処理の仕方をお伝えしました。

作品を永く楽しむため、支持体の正しい素材選びと下処理を欠かさないようにしましょう。

描画ツール

描画ツールは名前の通り、描くのに使う道具です。

テクスチャーアートの描画ツールにはペインティングナイフ、筆、その他のものがあります。

まずはこれがないと始まらない、ペインティングナイフから解説していきます。

ペインティングナイフの選び方

ペインティングナイフは小さなコテ状の描画ツールで、絵具やテクスチャー剤を画面に塗り広げたり、パレット上で混色したりするのに使います。

もともとは油絵に使われていましたが、近年アクリル画にも使われるようになり、テクスチャーアートにかかせないものです。

写真左プラスチック製・セット商品で1本60円ほど。真ん中もセット商品で1本100円ほど。右はリキテックスのもので1本400円ほど。

選び方としては、一見して分かる形やサイズの他に刃の薄さや、

厚さはプラスチック製>セット品>リキテックスの順

しなり具合や弾力性が重要です。

プラスチック製・・・やわらかくしなりが大きい。手の余計な振動までアートに伝わってしまいやすいです。
セット品・・・硬くてほとんどしならない。描き方が制限されやすく、技法によっては手が疲れやすい。
リキテックス・・・適度なしなりと反発力があり、様々な表現で描きやすい。

お値段には意味がありますね…

扱い方は筆と違って都度洗うことはしません。

色を変える時はティッシュなどで拭います。

片付けの際は絵具や水分がつきっぱなしだと錆が発生することがあるため、よく絵具を拭ったり、洗って綺麗にして水気を拭っておきます。

描画技法や形による違いは後編に書きます!

●小回りが利く一番小さなサイズ

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筆の種類

続いて筆についてです。

アクリル絵の具用の筆は高級な動物の毛のものではなく、ナイロン製のものを選びましょう。

形は平筆や細筆など様々です。

なかでも私のおすすめはフィルバートとも呼ばれる丸平筆

平筆を使い込んだ時の形が最初から再現されているもので、平筆との違いは当たりが柔らかいこと。

塗り始めや塗り終わりに絵の具だまりができにくい特徴があります。

他にファンと呼ばれる扇筆もかかせません。

こちらは扇状にコシがある繊維が少量使われているもので、ドライブラシでぼかし表現をしたり、スパッタリングでしぶき表現を繊細に入れたい時などにおすすめです。

テクスチャーアートはペインティングナイフだけでも仕上げられますが、描き入れやプラスアルファの表現の時は筆も効果的に使えると良いですね。

ローラーについて

広い範囲のベタ塗りや模様づけには、ペンキ塗りや左官で使うローラーも役立ちます。

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付け替えローラー部分の材質により、静かな画面にしたり荒々しい画面にしたりと表現を変えられます。

ローラーの取っ手部分と付け替えローラーは、メーカーによって相性がありますのでご注意ください。

スクレーパーについて

溝付きスクレーパーを使うと、規則的な溝付けやライン出しでモダンな表現が可能です。

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ホルベインのカタリストはシリコン製で、絵の具が乾いてしまっても取れやすいです。

固めのテクスチャーにもしっかり耐えられる厚み。

身近なところではフォークやヘアコームでも似た表現が可能です。

スクレーパーと同じ仕上がりにはできませんが、試してみてくださいね。

ペーパーパレットの選び方と代用品

表面に耐水加工がしてある薄い紙が重なったパレットです。

汚れたら1枚ずつ剥がして使い捨てる形で使用します。

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混色しながら描くときは、パレットサイズは大きめがおすすめです。

アルコールインクアートをされる方はユポも耐水紙なので代用できます。

たまにしか使わないのなら、水さえ通さなければ何でも良いので、耐水性のあるお菓子の袋や使い捨て皿などでも代用できます笑

その時はマスキングテープなどで机に固定すると使いやすいです。

描画ツールまとめ

描画ツールについてまとめます。

描画ツールまとめ
  • ペインティングナイフは材質やサイズや形状で選ぶ。
  • 筆はナイロン製のもの。
  • 広範囲のベタ塗りや模様づけにはローラーを。
  • 規則的なライン模様には溝付きスクレーパーを。
  • ペーパーパレットは大きめが使いやすい。手近なもので代用も。

基本的には何を使うのも自由ですが、やはり正しい道具は使いやすく、目指す表現をしやすくなります。

少し余裕が出てきたら、いろいろな道具を試してみて下さいね。

テクスチャー画材

テクスチャーペインティングでは、メディウムと呼ばれる絵具の性質を変えるはたらきのあるものと、ガサガサやつぶつぶなどのテクスチャー画材を使って、好みのテクスチャーを作るのが一番の肝になります。

基本的な使い方として、テクスチャー画材に直接絵具を混ぜ込むまたはテクスチャー画材で下地を作って乾燥させた後、その上から絵具で着色をしていきます。

それぞれどんなものがあるのかご説明します。

メディウムの種類について

メディウムにはたくさんの種類があります。

一番基本となるのがジェルメディウムです。

乳白色のジェルで、乾くと透明になります。

●50mlタイプ

●何作か作るなら大きいサイズがおすすめ

ジェルメディウムは絵具のツヤの調節と盛りあげを同時に行えるもので、リキテックスのジェルメディウムでは質感の違いマットウルトラマット硬さの違いヘビースーパーヘビーの種類があります。

ホルベインでは粘着性の違いハードソフトボディハードボディ乾燥後にハードなエッジを出せるハイソリッドなどがあります。

ジェルメディウムはこれ単体で使うこともできるほか、接着剤の代わりにもなり、箔の下地やアルコールインクアートのパネル貼り付けなどにも使用できます。

ジェルメディウムの他に液状のメディウムもあります。

液状のタイプには絵具同士が混ざらないようにするポーリングメディウムや、ひび割れを意図的に作るクラッキングメディウムなど様々な面白いはたらきのものがありますが、中でも乾くスピードを遅くする、スロードライ ブレンディングメディウムはペインティングに使うと便利です。

●液状タイプ

●ジェルタイプ

絵具やテクスチャー剤は基本的に乾きが早く、描いているうちにパレット上で段々硬くなって最初と固さが変わってくるのですが、

とくに混色していたりすると、一から同じものを作り直したり、足して同じように保ちながら描き続けるのは至難の業です。

スロードライを混ぜておくと、この乾燥による硬さの変化スピードをマイルドにできます。

スロードライとジェルメディウムのようにメディウム同士は混合が可能で、混ぜて自分好みのメディウムを作り出すのも楽しいです。

絵具にメディウムを混ぜる場合は、メディウムの最大添加量が何%までと決められているものもあるので、それぞれの使い方をよく読んでからお使いください。

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質感を与える画材について

ジェルメディウムにさらに質感を与えるものにマチエール(絵肌)補助材テクスチャージェルがあります。

マチエール補助材は砂や砕いた石や貝などの材料で、ジェルメディウムと混ぜて使います。

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テクスチャージェルはメディウムにすでに砂やビーズや繊維などが入っているもので、入っているものによってザラザラ・ツブツブ・ガサガサといった異なる質感を画面に作ることができます。

もちろんマチエール補助剤などをさらに混ぜ込むのもOKです。

↑砂浜の表現に

入っているものによって乾燥後に色が残るものや、素材自体に色が付いているものがあるので特徴を確認してから使いましょう。

↓↓テクスチュアジェルの違いをとってもわかりやすくまとめて下さってます。

●画材店レモン画翠さまのリキテックス画材講習会レポート記事

モデリングペーストの種類と選び方

モデリングペーストは大理石粉末などからできたパテ状の練り物です。

ジェルメディウムとの大きな違いはこれ自体が乾いても白色(ホルベインは灰白色)であることと、硬く仕上がる(切削やヤスリがけもできる)ことと、わずかにガサガサしたような質感もつくっていけることです。

白い撮影ボードをお作りになりたい場合、メディウム無しでもこれひとつだけあればできます。

使い方の注意点として、一度に厚塗りしすぎると、乾燥時にひび割れします。

このひび割れはジェルメディウムを併用すると防げます。

モデリングペーストにも種類があり、ひび割れしにくく、乾燥後も多少柔軟性があるフレキシブルモデリングペーストや、大きな作品の重さを軽減できるライトモデリングペーストなどがあります。

それぞれ仕上がりのニュアンスが普通のモデリングペーストとは多少異なります。

モデリングペーストはメーカーによって仕上がりや作業性が大きく違い、ジェルメディウムの添加が必要ないものもあります。

●モデリングペーストのメーカー比較の記事はこちら

ホルベインのモデリングペーストのラインナップでは、砂粒子入りのパミスというシリーズがあります。

パミス、コースパミス、エクストラコースパミスの順に粒が荒くなります。

こちらはベースの色が乾いても灰色な点ご注意ください。

モデリングペーストは下地として使う他に、絵具と混合して使用することもできます。

ただ先述したように、これ自体が乾いても白色なので、絵具の発色は少しマイルドな発色になります。

黒やビビットな色にしたい時は、ジェルメディウムのみにするか、乾燥後に上からペインティングするようにしましょう。

他に、絵画で盛り上げる技法のことはインパストと呼ばれます。

そのためモデリングペーストと同様の物がブランドによってはIMPASTOという名称で販売されています。

国によって(イタリアとかかな?)はこちらの呼び方がポピュラーで、テクスチャーペインティングもIMPASTOペインティングとも呼ばれたりしているので、良ければ検索してみて下さい^^

テクスチャー画材まとめ

テクスチャー画材についてのまとめです。

テクスチャー画材まとめ
  • 一番ベーシックなものはジェルメディウム。固さやツヤを目指す仕上がりに合わせて選ぼう。
  • 混ざらなくする、渇きを遅くする、ひび割れ、はちみつ状、シャバシャバなど、メディウムを使いこなすとさまざまな表現が可能。
  • マチエールづくりには、テクスチャージェルやマチエール補助剤をプラス。
  • 漆喰調の不透明な仕上がりにはモデリングペーストを。

さまざまなメディウムや素材をつかいこなして、ぜひあなただけの絵肌づくりを楽しんでくださいね

アクリル絵の具について

テクスチャーアートに使う道具、最後のセクションはアクリル絵の具についてです。

絵具は色付けに使用しますが、テクスチャー材そのままの色を活かしたい場合などは絵具無しでもOKです。

絵具には油彩(油絵)用と水彩用がありますが、テクスチャーペインティングに使用するのは水彩用で、その中でもアクリル絵具です。

アクリル絵具は、木材やガラス、布、金属など幅広いものに使えます

また、各種のメディウムと組み合わせると、厚塗りしたり、薄く水彩絵具のように使えたり、様々な使い方ができてとても汎用性が高いです。

他に乾きが早いのも特徴です。

厚塗りや盛り上げができる画材としてもともと主流だった油絵具では、完全乾燥に数ヶ月かかるのが当たり前ですが、アクリル絵具の場合は数日ほどで乾いてくれます。

このアクリル絵具には少し性質が違うアクリルガッシュがあります。

アクリルガッシュの方が含まれる顔料の量が多く、不透明(下の色が透けにくい)で仕上がりがマットになります。

テクスチャーペインティングにおいては、絵具をメディウムと混ぜて使用する場合、ガッシュの方が高顔料な分、発色が良いです。

一方で堅牢性や耐久性についてはアクリル絵具の方が優れます。

また、マットなアクリルガッシュに対してアクリル絵具はツヤや透明感に優れ、透明色と不透明色の両方があります。(メディウムでも調節可能ですが..)

このような性質から、モデリングペーストなどで下地を作った上にペイントをしていく場合は、アクリル絵具が良いのではと思います。

ガッシュを扱う上での注意点は、単体で厚塗りするとひび割れやすいことです。

ひびを出さずに盛りあげたい時は、ジェルやペーストを加えましょう。

他に、乾きが早いガッシュでも、テクスチャーペインティングしたら内部の完全乾燥までは時間がかかります。

盛りあげ具合によりますが、1週間ほどは様子を見るようにしています。

ちなみにメディウムやペーストと絵具のメーカーは厳密にはそろえた方が良いのでしょうが、私は結構バラバラに使用してしまってます。

まとめ

テクスチャーアートのペンティングに使用する道具類について種類や違いと使い方についてご紹介しました。

撮影ボードの場合は最低、適当なサイズの板とペインティングナイフ1本、モデリングペースト1つあれば白いものが製作できます。

本格的なアート作品を作りたい方は

・水彩用(または油彩・水彩兼用)キャンバス、またはシーラー(またはそれとジェッソ)塗布したシナベニヤパネル

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・使いやすいペインティングナイフ

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・ペーパーパレットか耐水紙

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・ジェルメディウム

ツヤ出しと盛り上げが出来るジェル。乳白色で、これ自体は乾くと透明。テカテカ。絵具やモデリングペーストのひび割れ防止にも。

・モデリングペースト

硬質で少し粒子感のある仕上がりになる盛り上げ用練り物。これ自体は乾くと白。単体で厚く塗るとひび割れ。

・アクリルガッシュ、アクリル絵具

ガッシュは乾くとマットで不透明。下塗りの着色やペーストに混ぜ混む時に良い。

アクリル絵具は乾くとツヤと透明感があり、透明色も不透明色も。下地の上へのペインティングに良い。

これらをそろえて、自由度の高いテクスチャーペインティングを楽しみましょう^^

●この記事の続き。後編のペイントナイフの使い方や技法解説はこちら

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●ニュアンスカラーと色の作り方の基本の記事はこちら

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●ニュアンスカラーのテクスチャーアート製作動画はこちら

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