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アートとマスキングテープについて
マスキングテープはエポキシレジンでパネルを製作する時などには欠かせないものですよね。
●エポキシレジンを始めたい方はこちら
レジンを掛けたくない部分をマスキングするのですが、実際に貼って製作してみると、きっちり貼ったはずなのに木部にレジンが染み込んでしまっていたり、うまく剥がせなかったりする失敗を経験する方が少なくないと思います。
今回はエポキシレジンアートやレジンコーティングに向くマスキングテープの検証と、そこから気付いた、失敗を一番少なくする貼り方、そしてうまく剥がすコツをご紹介していきます。
エポキシレジンに向くテープと貼り方の実験
マスキング力があり、レジンがあまり染み込まないテープを探しました。
また、貼り方について二重にすると効果があるのかと、側面塗装を想定し、塗装が先が良いのかレジンが先が良いのかも検証してみました。
実験品
たくさんの種類のテープで試しました。
先に結果を少しだけお伝えすると、メーカーなどはそこまで重要ではなかったので、主だったものだけご紹介します。
写真の上段左からご覧ください。
・青い大きなもの→3Mペインターズテープ(通称ブルーテープ)
海外のレジンアーティストさんに愛用者が多いです。
少しハリと厚みがある紙ベース?のテープです。残念ながら日本未発売です。
・緑のもの→パイオランテープ
いわゆる養生テープです。手で切れます。
・白の大きなもの→ビニールテープ
・白の小さなもの→100均のマステ(ツルっとした質感)
・下段左から4つ→3MやNITTOなど各社の塗装用マステ
・下段残りの二つ→ブランド(MARK’Sやカモ井さま)の紙製マステ
方法
※最初、画像に写っているミニ六角形パネルの方で試しましたが、良い結果が得られませんでしたのでそちらの結果画像は割愛します;(後ほど少しご説明します。)
木製の板で半分はそのまま、半分は塗装をしたものに各種のテープを貼ってレジンをかけ、レジンの染み込みに対してどちらが効果的かを見ました。
また、それぞれでテープは半分を重ねて貼り、一重でも良いか二重にした方が良いのかを見ました。
※左の列に白のビニールテープが2つありますが、一つは下に紙製のマステを貼って、ビニールテープでカバーするようにしています。
結果
見づらい…!
↓テープの画像の順にしてあります。
写真で見ても分かりづらいかと思いますが結果をまとめると、
・養生テープはレジンが木部まで染みてしまう
・ビニールテープは隙間からレジンが入りやすい
・紙製の普通のマステはテープ自体にレジンが染みやすい
・染みない素材なら一重でも大丈夫
・二重にしたものはテープの段差部分からレジンが染みている
・塗装を先にしておくとレジン染みが目立ちにくい
ということが分かりました。
感想とまとめ
紙っぽいマステが良くなさそうなのは予想していましたが、ビニールテープの結果が良くなかったのは意外でした。
柔らかで弾力がある材質ゆえに、隙間や木部の段差があっても分かりにくいためかと思います。
レジンがパネルに染みにくいテープはどうやら「塗装用」のテープだと分かりました。※全く染みないわけではないです。
貼り方については一重でもしっかりマスキングできることが分かりましたが、テープが薄すぎると剥がす時にレジンに負けて破れてしまいやすく、手間がかかりました。
その点、海外で使用されるブルーテープはとても剥がしやすいです。
二重にする場合は、やり方によっては失敗しやすくなるため工夫が必要です。
塗装は先にしておいた方が、レジン染みや、はみ出しなどが目立ちにくくなりました。
●塗装の基本のやり方はこちらの記事
側面は仕上がったアートに合わせて塗装したいところですが、白木むき出しではやはりレジンが染みやすいですね。
この実験と、先述したミニ六角形パネルの実験を通して気付いたことは、マスキングの失敗はテープの種類のせいだけでなく、貼り方がすごく影響しているということです。…当たり前でしたね。
特に、マスキングテープを重ねた時の段差部分や角の部分はレジンが入り込んだり伝ってしまったりしやすいことが分かりました。
それらを踏まえて、失敗が少ないマスキングテープの貼り方をご紹介します。
マスキングテープの失敗しない貼り方
失敗しないマスキングテープの貼り方についてNGパターンとOKパターンでご紹介します。
NGパターン
テープが重なる部分がこのように垂直になっていると、隙間ができてレジンが入り込みやすいです。
また、下の部分をパネルの裏まで貼り付けることも、角の部分などにテープが重なる部分を作りやすく、レジンが伝って隙間から入り込みやすくなるため注意が必要です。
OKパターン
このように、貼り始めや貼り終わりは斜めに重なるようにして、隙間ができにくく、またもしできてしまってもレジンが伝いにくくします。
そして、重ね貼りする時は、下に来る方を先に貼って、上の方は被せるようにします。
また、下の部分は裏に折り込まないようにします。(もう少し長さがあった方が安心ですね;)
あとは何よりもきっっっちりと隙間なく貼り付けること。
ポイントはたったこれだけですが、レジン垂れの失敗は随分減らせると思います。
マスキングテープの剥がし方
テープのきれいな剥がし方もご紹介します。
レジンを剥がすタイミングは、完全硬化する前がおすすめです。
ガッチリ硬化してしまうと剥がれにくくなるため、レジンが硬化した直後か少し柔らかさが残るくらいの時に剥がします。
ただし、硬化状態が柔らかすぎると、レジン自体が粘着して余計に剥がしにくいので丁度良いタイミングを見極めて下さい。
また、長い間放置していると粘着成分が接着面になじんでしまって取れにくくなるので、完成品にテープを貼りっぱなしにしておくことは避けます。
●こちらの記事でまとめています
マスキングテープがはがれない時は
マスキングテープがはがれにくい時はドライヤー等で温めて剥がすやり方がおすすめです。
※アートレジンの場合は硬化後の耐熱温度が50℃までで、それ以上になるとダメージを受けてしまうので温めすぎにはご注意ください。
レジンアートや重ね塗りをして、テープの上のレジンが分厚くなっている場合は、上記の方法に加えてシンプルにカッターも入れます。
↑実験結果の写真。右の方はカッターを使用しています。
円形パネル等だと不安定で少々やりづらいかと思いますが、確実に、綺麗に仕上げられますね。
●剥がした後に残るバリの処理をした動画はこちら↓
100均のレジン用バッファーが使えます!
おわりに
レジンの際のマスキングに向くテープの実験・結果と、失敗を減らす貼り方、綺麗に剥がすコツをご紹介しました。
私は今までマスキングの失敗がかなり多くて、どうしようもない時はルーターで切削するようにしているのですが、このやり方をすることで大分ルーターの登場機会が減りました。
むき出しの木部にレジンが触れてしまうと、ある程度の染み込みは避けられない所ではありますが、マスキング問題でお悩みの方はぜひ一度試してみて下さいね。